お前をもう一度
こんなふうにしたかった
|
| |
|
『僕のねむりを醒ます人』
|
|
著者*
沙野風結子 画*
奈良千春
|
|
|
→
|
| あらすじ |
刑事の雪弥は連続暴行事件の犯行現場で射抜かれるような視線を感じる。雪弥を見つめていたのは、11年前雪弥の身体と精神を壊し、姿をくらませていた幼なじみの葛城耀だった。かつて自分を裏切った男に気を許したわけではない。だが、強気で意地悪だった以前と違い、まるで別人のように優しく上品な雰囲気をまとっている耀。雪弥は、思い出のオムライスを作ると言う耀のマンションへ連れて行かれるが…。 |
| ジャンル |
社会人・幼馴染・二重人格 |
|
発行日
|
2005/12/25 |
ISBN
|
809-3 |
|
沙野風結子
先生
コメント
|
幼馴染と雪をめぐる、強要系哀調愛です。監禁もあり。小学生男子的「好きな子を苛めて泣かせる」をオトナがやると、とってもやらしいことになる、という嗜虐傾向のエロチックワールドを、奈良千春先生の麗しくて心と腰に訴えてくるイラストでお楽しみいただければと思います。 |
|
| 『僕のねむりを醒ます人』本文抜粋 |
「ゆき、や?」
それはまるで、雪弥がここにいるのを知らなかったかのような奇妙な 反応だった。
そして同時に雪弥に衝撃を与えたのは、いま対面している男こそ、雪弥の知っている葛城耀だという事実だった。
男らしい美貌は傲慢さと意地の悪そうな甘さを孕んでいる。さっきまでの優しくて上品な男に感じていた違和感はいまはもうない。
「――ついに我慢できなくなったってことか?」
耀は曖昧にそう呟くと、改めて雪弥に、雪弥の身体に視線を這わせてきた。
上はワイシャツを着ているが、下半身は衣類を膝まで下ろされている。仰向けの姿勢、両手をヘッドボードの木格子にくくりつけられている。服を自分で直すこともできず、せめて下腹だけでも隠そうと雪弥は右膝を立てて腰を捩った。
潤んでいく耀の瞳に、首筋がざわりとする。
「どうして……どういうことなんだ? 君は……」
「悪いが、記憶が飛んでて、どういうことなのかは俺にも説明できない」
自分のことなのにあっさりそう言うと、耀は雪弥の顔の横に手をついた。そして、もう片方の手で、まるで盲人がそうするように雪弥の顔を辿りはじめる。皮膚を指の腹で引っ張られる。なつかしんでいるのか、嬲りたいのか分からない触り方だ。
唇を親指で何度もきつく擦られる。唇が熱を孕みだす。
「雪弥――ゆきや……」
確認するように名前を呼ばれ、
「……もう一度、こんなふうにしたかった」
指で擦りたてられた雪弥の唇に、耀の唇が押し被さってきた。
重なった途端に荒々しく舌を突き入れられる。熱っぽい舌が口内で暴れる。耀の手が慌ただしく雪弥の剥き出しの下腹に伸びた。性器をまさぐられる。
「ん、んっ――!」
露骨な危機感に衝き上げられて、雪弥は激しく首を横に振った。舌が抜け、唇が外れる。
「初めから、こういうつもりだったのかっ。僕の機嫌をとったのは、こんなことをするためだったのか?」
間近の男の顔を冷たく睨み、雪弥は厳しい声を出した。
耀がわずかに右の唇の端だけで笑みを作る。昔とまったく同じ笑い方だ。
「機嫌を取られて、のこのこと来たわけだ。だとしたら、雪弥のほうこ そどうかしてるんじゃないのか?」 |
|