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躰だけが加速する
『心に手錠、唇にはくちづけを』
著者* 中原一也 画* 山田ユギ
あらすじ 数年ぶりに日下刑事の前に現れたかつての親友・安西。日下の知らぬ間に有能な経済ヤクザになっていた安西だが、泥酔した日下はうっかり安西と肉体関係をもってしまう。その行為をビデオに撮られ、安西にたびたび呼び出されては関係を迫られる羽目に陥った。
身も心もすべて捧げろという傲慢な安西に振り回される日下だけど――!?
ジャンル ヤクザ・刑事もの
発行日
2005/4/25 ISBN 749-6
中原一也
先生
コメント
今回は刑事と経済ヤクザに挑戦してみました。
禁じられた相手との恋というのがボーイズラブの醍醐味だとは思いますが、男同士ということに加え、仕事上では敵対関係にある安西と日下。イケナイ相手だとわかっていながらつい心を惹かれるというのは、なんだかちょっとエッチでございます。
今回は攻の安西が冷酷非道なヤクザなので、あんなことやこんなことをされて日下は大変です。
でも日下も男なので、そう簡単に音をあげたりしません。
しかしその意地っ張りな性格が自分を追いつめていることに気付いてないところがミソだったり(笑)。
二人の波瀾万丈な恋に興味をもたれたら是非、読んでくださいませ。
『心に手錠、唇にはくちづけを』本文抜粋
『よぉ、久しぶりだな』
「…………」
 電話は課長からではなかった。だが、もっと悪い。
 一瞬にして、穏やかだった日下の表情が曇る。
「……安西」
 災難は忘れた頃にやって来るというが、安西も同じだった。忘れた頃にコンタクトを取ってくるのだ。ホテルで会って以来ずっと連絡がなかっただけに、油断していた。
 また呼び出されるのかと思うと、せっかく癒された心もまた凶暴になっていく……。
「どういったご用件でしょう?」
 浜田の手前あまり乱暴なことは言えないと冷静さを装ってはいたが、日下は今にも噛みつかんばかりにこめかみをぴくつかせていた。
『冷たいんだな。まさかまた俺のこと忘れてたっていうんじゃないだろうな』
「申し訳ありません。すっかり忘れてましたよ」
 
『怒るなって。放っといて悪かったよ。俺だっていろいろと忙しいんだ』
「そうですか。放っておいてくださって構わないんですがね」
 そう冷たく言い放って電話を切ろうとするが、安西はそれを許さない。
『でもな、寂しいからって浮気しようなんて思わないほうがいいぜ?』
「…………」
『隣を歩いている奴は誰だよ? いつも一緒にいる刑事じゃないな』
「!」
 日下が慌てて周りを見回すと、道路の向かい側に一台の車が駐まっている。以前、入江という舎弟が日下を迎えに来た時に乗っていた車だ。
 安西はその前に立ち、運転席のドアに寄りかかったままこちらを愉しそうに見ている。
 
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