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君の過去さえも
僕のものにしたい
『永遠恋人1 誰よりも愛して
著者* 日向唯稀 画* 香住真由
あらすじ
昼はガリ勉大学生、夜は行きずりのSEXを楽しむ橘コンツェルン御曹司・季慈。
一方、 演劇一筋、その美貌で有名な遥はバイト三昧の苦学生。同じ大学ながら接点もなかった二人だが、あるバカげた芝居のせいで遥は季慈 に抱かれてしまう。そして気障で強引な季慈の誘惑にどうしようもなく惹かれ──やっと自分の感情を受け入れた遥の前に、季慈の過去の恋人が現れた。その意外な人物とは…!?
誘惑シリーズ最終章『永遠恋人』スタート!
発行日
2005/3/25
ISBN
743-7
日向唯稀
先生
コメント
こんにちは、日向です。
誘惑もいよいよ第三部。永遠恋人シリーズへと突入しました。
ずっと思い描いていたラストシーン。二人が「永遠に僕たち恋人同士だよね」と、言葉もなく伝わりあうようなシーン。
そんなシーンを目指してのグランドプロローグとも言えるのが、今回の『誰よりも愛して』です。
まったく違う世界に育って生きてきた二人が、生活を共にすることで、どんどんどんどん一つの世界を作っていきます。
とは言っても、かなり遥に引っ張られぎみな季慈なので、どこまで正統派王子を貫けることか…。
もしかして、今回は確実に崩壊しているかもしれません(笑)
どこまでも対等な季慈と遥の恋。読んでいただけると嬉しいです。
誰よりも愛して』本文抜粋
「貴様、僕の遥に何してるっ!!」
 しかしジョンの体は一足先に、美祢を迎えにきてかち合ったのだろう季慈によって、力ずくで引き剥がされていた。勢いのまま拳を上げた季慈に、そのまま殴りかかられようとしていた。
「キーツ!?」
 だが、振り上げられた拳はジョンの驚愕によって、ピタリと止まった。
「っ、ジョン…!?」
 季慈は同じ背丈ほどの男の顔にハッとすると、何か狐にでも摘まれたような顔をして、相手の名前をつぶやいた。
『――――知り合い?』
 美祢は季慈とジョンを見比べた。
「どうした、美祢」
「どうしたの? 美祢くん」
 さすがに部屋の中から、吉田や他の部員も顔を出す。
「もしかしてジョンがきたの? はる…か?」
 
 同じ部屋にもう一つ設置された後ろの扉からは、未知子も姿を現した。
「キーツ?」
「――――――」
 けれど、未知子がその名を呼んだ瞬間、季慈は握りしめていたジョンの上着をスルリと離した。
『え?』
 季慈は振り返ると同時に美祢の姿さえ通り越して、その視界に未知子の姿を映し出した。
「キーツ…。やっぱり、キーツよね?」
 足早に廊下を歩くと、未知子は季慈の傍へと歩み寄ってきた。
「ミッチー」
 夢でも見ているような眼差しで、季慈はポツリとその名を呼んだ。
『え? 季慈?』
 美祢はそんな季慈に驚きを隠せないまま、言葉も無く見詰め合う二人に愕然としてしまった。
『―――――ジュリエット』
 不意に一つの単語が美祢の脳裏を掠めた。
 それは美祢と季慈を結び合わせた一つのキーワードであり、この言葉から何かが始まったと言っても過言ではない運命のキーワード。
『まさか母さんが、季慈のジュリエット…? 季慈の…、初恋の女性?』
 そして古の頃より“悲恋”を暗示する代名詞のようなものでもあり、美祢にとっては決してなりたくはない、悲劇のヒロインの名前だった―――――。
 
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