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見せてもらおうか
「誠意」というヤツを
『凍えるまなざし』
著者* 姫野百合 画* 水貴はすの
あらすじ
宮永幸弘が働くレストランのオーナーが、急に変わることになった。新オーナー挨拶で現れたのは氷のように冷たい目をした男・支倉一英だった。幸弘はその男を知っていた。昔、幸弘の父親が起こしてしまった事故の被害者だったのだ。その事故のせいで一英は家族を亡くし、車椅子生活を強いられていた。復讐のために買収したのか──。自分のせいでレストランをつぶされたくない幸弘は「なんでもするから」と、一英に取り引きを持ちかけた。翌日から仕事を休んで屋敷にくるようにと指示を受けた幸弘だったが、そこで待っていたいたのは、予想以上の責め苦と辱めだった。一英が触れてきたのは最初の夜だけだが、女のような扱いと変な道具でもてあそばれる日々。い つでも帰るのは自由だと軽蔑のまなざしを向けてくる一英に、幸弘は黙って従うしか ないのだった…。
ジャンル
復讐、大人
発行日
2005/3/25
ISBN
741-0
姫野百合
先生
コメント
十数年前、一つの交通事故がふたりの少年の人生を変えた。家族を失い自らも傷を負った支倉。そして、父の起こした事故の罪におびえ続ける幸弘。復讐する者とされる者。再び出会ったふたりの運命が、今、交錯する……。
って、カンジのお話です。シリアスな大人のお話にしたかったはずなのに、気がつけば、結局、いつものバカップルになってしまったような……(涙)。姫野的には、おじちゃんとかおじいちゃんをけっこう出せたので満足してますです。はい。
凍えるまなざし』本文抜粋
 ワインセラーについた途端、気がゆるんだのか、膝が砕けた。
 幸弘は、支倉の車椅子から手を離し、その場にへなへなとくずおれる。
 苦しい。立っていられない。
 両手で自分の身体をきつく抱き締め、身体を丸めても、快感は内にこもるばかりで、少しも消えてはくれなかった。
「あっ……。あぁ……っ……」
 唇からは、ひっきりなしに、甘ったるい吐息があふれ出す。
 もう、我慢できない。身体の奥から飛び出していこうとするものを押しとどめられない。
「うっ……。ん……あ…う……」
 ひんやりと冷たい地下室の床の上に這いつくばって、幸弘はただ震えていた。
 

「浅ましい」
 頭上から、支倉の冷たい声が降ってくる。

「おまえは、ほんとうに、こらえ性がないな。俺がワインセラーへ行けと命じなかったら、どうするつもりだったんだ?」
 侮蔑の響き。しかし、その中には、色濃いいらだちが見え隠れしている。
 幸弘は、多大な努力を払って、快感にわななく唇を開いた。

「でも……、僕は、あなたには、逆らえない……から……」
 支倉がわずかに息を飲む気配がする。
「……あなたに命じられたら……、従うしか……」
「俺のせいか?」

 声の調子は静かだったが、その奥底に激しい怒りがひそんでいた。
「どんな恥ずかしいまねをさせられようが、それは自分が望んだわけではなく、すべて俺に強制されてしたことだから、自分は悪くないと、そう言いたいのか?」
「……そ、そんな……ことは……」
 ありません。
 言おうとしたが、しかし、快感にもつれる舌がうまく動いてくれない。
 支倉は、もう、怒りを隠そうとはしなかった。いらだちも露に声を荒げる。
「そうか。俺が命じればおまえはなんでもするんだ。だったら、もどれ。もどって、執事やメイドたちの前で、裸になって、自分が、今、どこに何をくわえ込んでいるのか、どんなに恥知らずか、見せてやれ」
「……あ……、や……、そんな……」
「なぜ? 俺が死ねと言ったら死ぬんだろう? 死ぬことができるくらいなら、それくらいわけはないはずだ。さあ、立て。命令だ。俺に従え」
 支倉がうずくまる幸弘の腕をつかんだ。力まかせに引き上げられるが、しかし、腰から下に力が入らない。おまけに、動いた拍子に身体の中のものが、ぐる、と蠢い
て、背中が、びくん、と大きく震える。
「あ……、は……」
 支倉は、喘ぎ続ける幸弘を見下ろし、眉をひそめた。

 
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