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恋人なんだから
今夜は抱くって
言っただろう?
『絶愛コラボレーション』
著者* 日向唯稀 画* 香住真由
あらすじ
橘コンツェルン御曹司の季慈は甘く気障に口説く男、つまり男である遥にとって恋人になるはずのない男だった。だが、ときに強引なその誘惑に遥は身も心も惹かれてしまう。
そんなとき、遥の親友が季慈を好きになり、初めて自分の独占欲に気がついた遥は、自ら季慈を恋人として受け入れることを決心した。ところが、御曹司の季慈との関係が、橘コンツェルン傘下のホテルでバイトをしていた遥に思わぬ疑惑を向けさせ──?
誘惑シリーズ・コラボレーション第4弾!
発行日
2004/11/25
ISBN
709-7
日向唯稀
先生
コメント
すでにいくつかのシリーズを書かせていただきましたが、この二人の恋愛ほど、時間とページをかけて書いてきたものはないと思います。
そしていつの間にか「年の差カップル」が自分の中で定着しつつある中、こんなに「理想的な同い年」 「対等な攻めと受け」 何より「理想的な妻(?)」を目指して書いたものもないかもしれません(笑)。
今回もその理想っぷりは出ているかと思いますが、ぜひせび読破してくださいね★
秋の夜長に「もういいよ、いい加減にしろよ」というほど甘い二人は健在です。

『絶愛コラボレーション』本文抜粋

 「わかっててなお、それでもお前が好きなんだ。どうにもならないんだ。美祢っ!!」
 おそらく美祢にはすでに“季慈という同性の恋人がいる”という事実が、榎本にあっただろう躊躇いの数々を短期間のうちに越えさせてしまったのだろうが。
「ふざけるなっ!! 僕は女じゃないぞっ!!」
 それにしても、女性に口説かれるならまだしも、こう立て続けに男ばかりが言い寄ってくることに関しては、美祢も男としてのショックが隠せなかった。
 人がちょっと女顔をしているからといって、舐めやがって!! と、怒りさえ覚えた。
「ふざけてなんかいるもんか!! 本気だから俺だってここまで言ってるんじゃないか!! してるんじゃないか!!」
「勝手なこと言うな!! するな!!」
「美祢っ!!」
 
 が、そんな乱闘寸前の攻防を車内で繰り広げているときだった。二人は突然一人の男に助手席の窓をドン!! と叩かれ、一瞬心臓が止まりかけた。
「っ!!」
「ひぃっ!!」
 ほぼ同時に視線を向けると、いつの間にこんなに近くまできていたのか、それは先ほど榎本が目を合わせて背けた、家族連れの一人だった。
 季慈や榎本とはタイプこそ違えど、やけに目を惹く青年――――早乙女英二だった。
「なんだ、お前は!! 取りこみ中だ!! あっちへ行け!!」
 よほど余裕がなかったのか、冷静さを欠いていたのか。榎本は助手席の窓をあえて半分ほど開くと、美祢をシートに押しつけたままの姿勢で、英二を怒鳴りつけた。
「言われなくても、もう帰るところだから、行くけどさ。でも、せっかくだから一言だけ言っとこうと思って」
 だが、当の英二はひょうひょうとした顔でニヤリと笑うと、皮肉ったような口調で榎本に言葉を返した。
「そろそろそいつの彼氏、ここにすっ飛んでくるはずだから、あんた逃げたほうがいいと思うよ」
 
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