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甘えたがりと泣き虫は
今も健在みたいだな
『甘口バランス』
著者* 咲花チハル 画* 飴本 巽
あらすじ
幼い頃大好きだった同い年の従兄弟・瑛に嫌がらせでキスされたと思いこんでいる尊は、以来瑛を避け続けていたのだが、父親の海外転勤を期に転入した全寮制男子校でついに瑛と再会してしまう。
ある日、尊は男に襲われていたところを瑛に発見され、彼の所属するテニス 部のマネージャーになるという条件つきで助けてもらった。
後先考えずに承諾してしまった尊だが、瑛からキスよりもさらに過激な『嫌がらせ』を受けてしまい──!?
ジャンル
幼なじみもの
発行日
2004/8/25
ISBN
688-0
咲花チハル
先生
コメント
今回は従兄弟同士で学園物をと思っておおくりしたのですが、少しでも楽しんでいただけたら幸いです。
話の関係上、真夜中のシーンが意外と多いので、もしかしたら、どこが学園物? って思われてるかも? あ、でもほら、主人公達が高校生で、寮生活だから、なんとかそれらしく…なってるはず(だと思いたい)。
そして、今回寮生活を書くに当たって疑問に思ったのは、一人になれる時間がないときって、男の子ってどうやって処理してるんだろーかとかでした(くだらないなー)。こっそり布団の中でシコシコしてるとか? それともトイレで?
本当のところどうなんでしょうかねー? 周りに寮生経験の男の子がいないので、聞けないのですが…(笑)。尊の場合は、寮生活に慣れてないので、こっそりトイレかな? 響は顔に似合わず、夜中に堂々と、尊の顔を眺めながらヤっていたかと…。
って、下世話な話でスイマセン(苦笑)。
『甘口バランス』本文抜粋
 薄らと開いた唇に、瑛のそれが押し当てられた。
『………ッ!』
 唇に与えられる柔らかな感触に、キスをされたのだと認識すると、とたんに尊の体は硬直する。気持ち悪いだとか、これがファーストキスだとか、そんなことまで考えが回らない。どうしていいのかわからなくて、微動だにしなくなった尊の唇を、瑛はさらに啄むようにチュッと吸い上げた。
『んっ……』
 なんともいえない感触に、尊の大きな瞳から涙がはらりと零れ落ちる。それと同時に、瑛はゆっくりとした動きで尊の唇から離れた。
『あ……』
 まだ十やそこらであろうに、どこか大人びた感のある凛々しい顔立ちをした瑛は、尊に綺麗な笑顔を向けたあと、くるりと踵を返した。
 瑛は、別れの挨拶をすることなく、尊に背を向けたまま歩き始めた。
『あっ、待って…、待っ……』
 素っ気ない態度と、突然のキス。そして、言葉すらない瑛との別れに、尊は慌てて彼の背を追いかけようとする。
 
 
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