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俺のことからかって
楽しんでやがる
『暗闇で愛してる』
著者* 姫野百合 画* 隆巳ジロ
あらすじ
母親の陰謀で社長の座につかされてしまった貢は、秘書の東雲が大の苦手だ。東雲のいつもクールで完璧で、人を小馬鹿にしたような態度が気に入らない。
ある日、暗いところがキライなのを、東雲に知られてしまった!
それ以来、それをネタに脅されて社長業を続けるハメに。しかも重役達に会社乗っ取りの企みがあるようで、東雲の指示でスパイのまねごともさせられて──!?
ジャンル
下克上
発行日
2004/6/25
ISBN
671-6
姫野百合先生
コメント
社長の貢くんは、御曹司のくせして、やけに貧乏性で少々おボケ。社長よりもエラそうですべてにおいて有能な秘書・東雲に翻弄されっぱなしです。
社長の威厳は、いったいどこ???(笑)
こんなふたりの、ちょっと変則下克上オフィス・ラブ。是非是非読んでやってください。
東雲、腹の上でべらべらしゃべりまくりです。そのあたりも楽しんでね♪
『暗闇で愛してる』本文抜粋
「逃がしませんよ」
 耳に触れる、東雲の硬質なバリトン。
「どうすればあなたに言うことを聞いていただけるのか、もう、わかってしまいました」
「誰がおまえの言うことなんか聞くもんかっっっ」
 はかない抵抗もむなしく、次の瞬間、部屋が真っ暗に……。
「ぎゃーっっっっ。やだっ。やだっ。バカ野郎っっっ。何するんだーっっっ」
 叫ぶ俺をよそに、俺の耳元では東雲の冷静な声が妙にクリアに響いている。
「帰るなんて、もう、おっしゃいませんね? 立派な社長になるべく、真面目に努力してくださいますね?」
「だ、だ、だ、誰がっっっ。誰が、そんなことっっっ」
「いいですよ。だったら、部屋はこのままです。あなたのきらいな暗闇のままですよ」
「ひーっっっ」
 
 ひどいっ。ひどいっ。足元見やがって。
 まったく、とんでもないヤツに弱みを握られてしまった。
 震えながら浅い喘ぎを繰り返すばかりの俺の耳に、東雲が、この場には不似合いなほどの、やけに甘ったるいささやきを注ぎこむ。
「さあ。どうなさいます? あなた次第ですよ。貢さん」
 暗闇の中、しかも、背後からささやく東雲の声は、かすかな笑いを含んでいる気がした。
 東雲。おまえ、もしかして、面白がってるだろう? 絶対絶命の俺のこの状況を、さては、楽しんでやがるな。
「……ひ、卑怯者っっっ……」
「卑怯でけっこう。私は目的のためには手段を選ばないことにしております」
 
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